Interview

vol.26 Mar.-Apr. | 2020

在フィリピン日本国大使館セブ領事事務所 参事官 兼 所長
渡邉 博

渡邉 博
  • 来年の在セブ日本総領事館への昇格にむけて、 良き相談窓口として頼れる存在に!

    渡邉 博

    イタリア語が専門語で、海外勤務はイタリアのローマとミラノを2回ずつ、ほかでは、サンパウロ(ブラジル)とマーシャル諸島へ赴任。昨年、セブ領事事務所へ着任し、5月で1年を迎える渡邉さん。
    マーシャル諸島在勤中には、政務・経済・経済協力を担当し、大使館事務所の移転を行った経験があるため、セブでの活躍も期待されます。着任後、セブで感じたことや、今後の領事事務所の目標などをお聞きしました。

  • フィリピンに滞在し、 一番感じたことは何ですか?

    セブの公式行事で上映されたビデオの中で第2次大戦の当時のセブの状況を見る機会がありました。今日では想像できないような痛々しい光景でした。フィリピンと日本の歴史を知ることの大切さを実感しました。第2次大戦ではフィリピンにおいて約50万人の日本兵が戦死していますが、それに倍する約100万人のフィリピン人が亡くなっています。フィリピン兵士に加えて多くの一般市民の方々も数多く犠牲になり、戦争は大きな被害を与えました。戦後、日本は平和外交に徹して、官民共にフィリピンを含むアジアの国々と協力を進めてきました。そうした地道な努力の中で、反日感情は、信頼に基づく親日感情へと変わり、友好関係が築かれてゆきました。日本人として決して忘れてはならない史実です。セブを訪れる前に、少しでも戦争の歴史を学び、心に刻み、セブでの日々を大切に過ごしてもらいたいです。
     その他では、近年、リゾートや語学留学先として訪れる観光客が増え、セブは急速に経済発展しています。しかし、貧困層が暮らすエリアと大型ショッピングモールが建ち並ぶエリアが隣接しており、アンバランスな発展が犯罪の温床の原因の1つになっていると言われ、日本人も盗難などの被害に遭うケースも少なくありません。相談しやすい領事事務所を目標にしています。

  • 日本人がセブで安心安全に 過ごす為に必要なことは?

     3か月以上滞在される方は「在留届」を提出し、3か月未満の滞在の方は「たびレジ」に登録して下さい。在留届によって、フィリピン全体で約17,000人、そのうちセブ州には約2,300人の日本人が住んでいることがわかります。在留届は滞在者を把握するために重要で、在留届があることで、メール等で安全情報の提供、災害時の安否確認、トラブル時には日本の家族への連絡対応など、様々なサポートが行えます。たびレジに登録すると、出発前から旅先の安全情報を入手でき、旅行中も最新情報を受信できます。安心安全な海外生活、海外旅行のために、在留届の提出とたびレジ登録を是非お願いします。
     来年、領事事務所は総領事館に昇格する見込みです。日本の代表として相応しい総領事館を整備し、在留邦人の方々が安心安全に過ごせるお手伝いをすることが使命と思っております。

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