Column コラム

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

© CEBU navi SAKURA | vol.13 Jan.-Feb.2018

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

新ターミナルが登場するマクタン・セブ国際空港は、フィリピン国内、世界へのメイン玄関口へ。

昔と今とこれから

マクタン・セブ国際空港は、マクタン島のラプラプ市に位置し、世界的にみても評価が高い空港です。IATAの空港コードは「CEB」。空港は1956年に米国空軍によって戦略空軍爆撃機(マクタン航空基地として)のための緊急空港として建設されました。その後、1960年代のベトナム戦争までは前哨基地としての役割をもっていました。
2014年、フィリピン政府は、マクタン・セブ国際空港の開発工事を、インドのGMRインフラストラクチャー社とフィリピンのメガワイド社との合弁会社GMCACに託しました。そして、MCIAA(Mactan Cebu International Airport Association)へ空港の運営・維持管理業務を引き継ぎました。これは、空港事業に関して、フィリピン政府が民間企業と初めて手を組んだプロジェクトです。現在、空港はセブゴー、セブパシフィック航空、PALエクスプレス、フィリピン航空、エアアジア・フィリピンの本拠地となっており、国内線および国際線両方を運営、年間450万人もの乗客が利用しています。
国内各地や世界中の国々からたくさんの観光客が利用するターミナルとして位置づけられ、空港の重要性はますます高まっています。セブの空港は、国内旅行のためだけでなく海外への出入り口としてフィリピン内で2番目に忙しい空港であると言われています。多くの地元民や外国人観光客がひっきりなしにこの場所に集います。それ故に、乗客の増加に対応するために施設の拡張が必要となったのです。この拡張の皮切りこそが、マクタン・セブ国際空港の新しいターミナル2(T2)プロジェクトなのです。
 また、新ターミナル出発口には、化粧品売り場や免税店、コーヒーショップ、スナック販売、レストラン、宝飾店、ファーストフードチェーン、ATM、発券ブースなどを配置、利便性を高め、乗客のための居心地の良い空間として機能します。

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

豊富な種類のグルメ、お土産、免税店が並ぶ歩行エリア。

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

新設の第2ターミナルには、12台のエスカレーターと、15台のエレベーターが完備予定。

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

48台のチェックインカウンターが基本稼働。必要に応じて最大72台まで稼働可能。  

今後の展望‐T2プロジェクト‐

増加する乗客のために、空港施設の拡張はとても重要です。GMCACは、観光省やその他の機関と密な連携をとり、フィリピンとして観光客を歓迎する雰囲気と、世界レベルの施設を組み合わせ、国として最初のリゾート空港であるMCIAの変革に乗り出しました。また、GMCACは、中部およびフィリピン南部への主要玄関口としても空港が利用されることを想定しています。これにより、2018年6月に開設予定の新ターミナルは、旧ターミナルの渋滞を緩和する役割も担うのです。この新しい開発によりMCIAは、現在の年間450万人から1,250万人に乗客が増えることを想定しています。さらに第2ターミナルは、街への訪問者数が増加することで、販売促進などの経済効果をもたらすことも想定されます。これにより、国の経済的地位を高め、フィリピン人にもっと多くの雇用機会を提供するきっかけが生まれるのです。
新ターミナルのデザインは、セブアノの親しみやすさとホスピタリティを表しています。さらに、「リゾートに特化した」というテーマで、地元の空港ではなく、世界クラスの施設として建設しています。新しいターミナルの注目ポイントは、30メートル間隔で並ぶ高さ15メートルのアーチの連続であり、マクタン島を囲む海の波をイメージしています。
第2ターミナルは2階建てで、到着口と出発口の両方を兼ね揃えます。48台のチェックインカウンターが基本稼働し、必要に応じ最大72台まで稼働可能です。大型機から小型機まで対応できる搭乗ゲートは、基本稼働の7カ所から、最大12カ所まで稼働することができます。また、エスカレーター12台とエレベーター15台を完備し、乗客、特に障がい者の移動を容易にします。
さらに、500〜750台以上の車に対応できる新しい駐車スペースが建設される予定です。その周辺には、飲食店や小売り店、ショッピングモールやカジノ、ホテル、銀行などが誕生する予定です。

数字データで見るマクタン・セブ空港の存在意義

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

※表は、旅客交通の増加率と国内・国際線の利用増加率を示しています。

国内および国際線の旅客輸送とATM成長

現在、空港には23の航空会社が存在し、世界20都市への国際線、35路線の国内線にて乗客を輸送しています。 2016年から今年にかけての旅客輸送数は、国内線と国際線ともに増加しています。まず、MCIAを経由した乗客総数として、2014年の700万人から2017年には1,000万人に達し、増加率25%以上と劇的に増加。国際線に限っては、2014年の154万人から2017年には310万人まで増加しました。やはり、利用者数の急増に対応するための新しい設備が必要なのです。

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

搭乗ゲートは基本稼働の7カ所から、最大12カ所まで稼働。 

MCIAのパートナーと各路線

未来への開発が進む、 渡航者の玄関口「マクタン・セブ 国際空港」

セブと日本は、成田、大阪、名古屋の3つの主要都市との航路で結ばれています。特にフィリピン航空は、これらの3つの目的地へのフライトを毎日運航しています。それに続き、セブパシフィックもセブ〜成田間を結ぶほか、日本のLCCであるバニラ・エアも毎日、成田〜セブ間を飛んでいます。
さらにセブは、中東のドバイや、アジアの主要国である、クアラルンプール、シンガポール、香港、昆明、成都など、多くの主要都市とつながりを持った拠点なのです。

T2プロジェクト広報主任Saravu氏より、空港開発についての紹介

空港開発を担うチームについて

GMRメガワイド・セブ・エアポート・コーポレーションは、メガワイド・コンストラクション・コーポレーションのエンジニアリング技術と、世界的にも有名な、空港運営かつインフラ開発会社であるインドのGMRグループがタッグを組んだ特別チームが担当しています。

ストレスのない便利な空港利用を

GMCACは、渡航者や空港利用者が何を必要としているかを理解するだけでなく、マクタン・セブ国際空港に足を踏み入れた瞬間から、利用者がそれぞれの目的に応じたサービス提供ができるようにすることを目指しています。 チェックインカウンターでの待ち時間を減らしスムーズな移動のために4台のX線装置を設置、最終的なセキュリティチェックを通過するまでの待ち行列が長くなることを防ぐことを目指しているとSaravu氏。手続き時間を短縮するためのチェックインセルフサービス機能もいくつか設置。さらに、フィリピンにある空港の歴史の中でMICAは初めてロックウェル・コリンズのVeripaxシステムを導入。このVeriPaxシステムでは、搭乗券で搭乗者の情報を確認することができます。また、ターミナル全体に設置された多言語LED標識を確認すれば、誰でも迷わずに空港内を簡単に移動できます。さらに、国際線エリアと国内線エリア間の移動は24時間可能です。乗客は、一度手荷物を受け取り、確認後、乗り継ぎのために再度荷物を預け、印刷された搭乗券を受け取り、2階の搭乗ゲートに進むことができます。 乗り継ぎ時間が長い方は、ターミナルから外に出て、マクタン島を観光するなど、時間を有効に使うことができます。

美しい自然が広がる場所- セブ

セブはフィリピンの中心に戦略的に位置しているため、国内島々の玄関口となっています。また、ヴィサヤ地方とミンダナオ地方の国際玄関口とも言われています。セブは、美しい島々に囲まれたフィリピンの中心部に位置し、白い砂浜、豪華なリゾート、ダイビングスポット、川、山、発展都市を持つ洗練された拠点になるでしょう。そのすべては空港からすぐの移動圏内にあります。私たちは、セブへの訪問者の増減を左右する責任をもち、訪問者が抱く印象を最高のものにしなければなりません。多くの人々に美しいセブ・ヴィサヤ地方を体感してほしい、その美しい世界への玄関口としてマクタン・セブ空港が存在するのです!

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