Column コラム

カオハガン島

© CEBU navi SAKURA | vol.9 May-Jun.2017

海風とさざ波を感じるだけの幸せ

カオハガン島

波に揺られるバンカーボート。乗り込む足もとは頼りない。そのせいかドキドキ感は早くも2割増しだ。マクタン島東海岸沿いのリゾートエリアから、そのバンカーボートをチャーターして約40〜50分。オランゴ・リーフ・フラット(浅瀬)を迂回し、いくつか島を見送った先にあるのがカオハガンだ。島の東側にバンカーボートを止め、そこから小舟に乗り換えて上陸する。
ゴツゴツとした波打ち際を登るとたくさんの子どもたちがお出迎え。島を横断するように住居エリアを歩く。小さな家の間をぬうように進み、島の西側に出ると広大なホワイトビーチが笑顔で出迎えてくれた。
 思わず走り出したくなるような演出も含め、アイランドホッピングを楽しむ人に人気だ。ダイビングを楽しむ人でにぎわうヒルトゥガン島やナルスアン島まではちょっと遠いが、そこまで歩いて行けそうな錯覚を覚えるほど遠浅のビーチだ。「トコトンのんびりしたい」という人には最適だろう。
 海に向かって歩き出す。心を無にしてジャブジャブと歩き続ける。しばらくしてふと気づく。そこには太陽と青空、海風、さざ波、そして自分。360度見渡す水平線に地球の丸さを感じる不思議な感覚だ。

カオハガン島

島民とふれあえば 楽しさはもっと広がる!

カオハガン島

島主が日本人になって30年。そのカオハガン島の中を歩くと気づくことがある。それは家ごとにある大きな水瓶だ。大きなものは直径2m近い。雨水を貯めるための水瓶は、命をつなぐ大切な真水を確保するために欠かせない。上水道が整った日本との違いに「はっ」と気づかされる。
 もう一つはニワトリ。養鶏ではなく闘鶏だ。これはもう島の至るところで自己主張している。人が近寄っても逃げる素ぶりさえない。彼らは負ければ食べられてしまう。それがフィリピン闘鶏の掟だ。
 島の西海岸にある砂の広がりには、島民がつくった、キルト、木工クラフト、バッグ、食塩、ココナツオイル等を売る「ハヤハイ」という店がある。他には島民が買ってきた魚やおみやげ品を売る露店も並び、中には日本語が話せる島民もいる。愛くるしい笑顔に思わず会話もはずむ。その素朴さに親近感が湧いてくるだろう。この島へ訪れた人々に「たくさん買って島民たちの暮らしを支えてほしいな」と素直に思う。
 台湾やマニラからもアイランドホッピングを楽しみにたくさんやって来る。日本だけでなくマニラのTV番組にも取り上げられ、笑顔の絶えない平和な島だ。みんな、この島が好きなのだ。決して大きな島ではないが、600名以上が暮らし、他の島や街と同じく、歌やダンスが好きな今どきの子どもたちであふれている。島の奨励金で音楽を学ぶ若者がいるほどだ。
 美味しい海の幸を味わいながら、時にはやさしい歌を聞かせてくれる島。日本との時差はわずか1時間。時計の意味さえ忘れさせてくれる豊かさがここにはある。

カオハガン島

アイランドホッピングを楽しむ多くの日本人や台湾人、地元フィリピン人も含め世界各地から訪れる人々がその新鮮さと美味しさに驚く、魚介類の料理など。

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

カオハガン島

ビーチに建つおみやげ屋さん「ハヤハイ」。ベンチに座って海を見ながらのんびり(=ハヤハイ)するのもいい。浅瀬の向こうには、パンガナン島や、オランゴ島の島影が見える。時々、鳥たちがオランゴ島にある鳥類保護区へと飛んでいく。 

カオハガン島

カオハガン島にある、宿泊が出来る小さなロッジ。各部屋の前にはビーチがあり、穏やかなオランゴ・リーフ・フラット(浅瀬)の海が一望できる。周りにはたくさんの木々が揺れ、いたるところに木陰があるので、日中でも直射日光を避けることができ、思いのほか涼しい。

カオハガン島

葉っぱをいぶすと蚊が寄ってこないという木々に囲まれた小さな部屋。電気やガラス窓、水道などはない。昼には抜けるような青空があり、夜には吸い込まれそうな満天の星空がある。さざ波を聞きながら過ごせば、ゆっくりとした時間を楽しむことができる。

一覧へ戻る